ヒトの体には、外から入ってきた外敵をやっつけるという免疫反応があります。その外敵が細菌・ウイルスなどの場合はカラダにとって非常に有用な反応ですが、日常の身近なものに対して過剰に反応する場合にはやっかいな「アレルギー」ということになります。それが、花粉症・気管支喘息・食物アレルギーなどです。
その外敵のことを抗原と呼び、抗原が一度体内に入ると白血球の一部が抗体(IgE抗体)を作りだします。そして再び抗原が体内に入るとその抗体(IgE抗体)が肥満細胞にアレルギーの原因物質となるヒスタミンなどを放出させるのです。
ヒスタミンなどのアレルギー原因物質が鼻の粘膜に作用するとアレルギー性鼻炎、気管支の場合は喘息、皮膚の場合にはアレルギー性皮膚炎が起こることになります。
花粉症としては、スギ、ヒノキ、カモガヤ、ヨモギ、ブタクサなどが代表的なものですが、中でもよく知られているのがスギ花粉症です。

花粉症の治療は抗アレルギー剤による予防が主体で、症状がひどくなってしまった場合には、やむを得ず抗ヒスタミン薬を使います。肥満細胞からヒスタミンなどアレルギー症状を起こす物質が放出されるのを抑える作用を持ちます。
スギ花粉症が増えている原因はまだよく分からないのですが、食生活が戦後どんどん欧米化することによって、動物性脂肪やたんぱく質中心の食生活になり、アレルギーが発症しやすい体質となってしまったと考えられています。その上、ストレスの多い現代社会がますますアレルギーを起こしやすくしている、という訳です。車の排気ガスなどの空気中の化学物質と花粉がなんらかの反応を起こし、そのことが花粉症の発症に影響しているのではないかともいわれています。

花粉が飛び始める2週間前程度から予防的に飲み始め、飛散時期が終わるまで飲み続けるのが効果的とされています。実際には、1月末〜2月上旬から抗アレルギー剤を内服し始め、花粉が飛ぶ時期に備えるのです。症状が出現してからあわてて薬を飲んでも効果が薄く、また副作用の強い強力な薬を飲まざるを得なくなります。抗ヒスタミン薬は眠気が強いのが欠点でしたが、最近では眠気のほとんどない薬剤も登場し、内服薬のほか、点鼻薬、点眼薬も幅広く使われています。
一部の病院では、ステロイドホルモン剤の注射を行っているところもありますが、効果が強力な反面、副作用も強く、出た副作用も1ヶ月以上持続してしまい、取り除く方法もありません。もちろん、アレルギーの学会で認められている治療方法でもありません。安易にこのような治療に飛びつかないで下さい。
なお、すでにかなりの種類の抗アレルギー剤があり、その中からあなたに合った薬を探してもらい、安全で確実な治療ができるようにアドバイスを受けるべきだと思います。
最後にひとこと、
治療がうまくいくためには
@治療開始時期を守ること。
Aあなたに合った薬を早く見つけること。
Bマスクやメガネなど、花粉からあなた自身を守ること。