ラブラドール・レトリーバーの秘密


このページは米国のサイト「Labrador Retriever Home Page」の内容を意訳したものです。

外見
 ラブラドールのもっとも主要な特徴は、体毛、尾、頭と気質です。ラブは二重の体毛、すなわち、冷たい水の中でも濡れを防ぎ体を暖かく保つ柔らかいアンダーコートと、その外側にあって水をはじくアウターコートを持っています。オッタータイルと呼ばれる尾は根本が太く、先になるに従って細くなっており、背中に巻き上げたり、曲がったりしてはいません。高さはちょうどコーヒーテーブルくらいで、その上をはくような感じで振ります。頭は、すっきりとしていて少し幅広く、垂れ耳です。外見は機敏で知的な感じです。

性格
 ラブラドールのもっとも大きな特徴は性格です。ラブは愛らしい人中心の犬で、人と一緒にいることを特に喜びます。レトリーバー(回収犬)ですから、家や庭にあるものを回収するのが得意です。子供達に対しても忍耐強く相手ができ、素晴らしい家庭犬といえるでしょう。でも、番犬にはなりません。警戒して吠えることはありますが、一般的には攻撃することはありません。人間を傷つけるよりむしろなめ殺すような素晴らしい人間中心の犬です。奇妙な物体や突然の出来事に対しても比較的冷静で、興奮することは少ないです。多くのものを冷静に処理することができます。

系統
 米国では、二種類の異なった系統のラブがいます。フィールドタイプとショータイプです。フィールドタイプのラブはハンティング技術を中心に、ショータイプのラブは体型や気質を中心にして繁殖されてきました。両者のブリーダーの間には若干の意見の相違があります。フィールドタイプのラブ側に立つ人たちは「ショータイプはハンティングや回収作業能力の多くを失っている」、また、ショータイプの側に立つ人たちは「フィールドタイプはラブらしくなく正しい気質を失っている」、と主張しています。真実は多分両意見の中間くらいでしょう。フィールドタイプは精力にあふれていてよりエネルギッシュ、ショータイプもフィールドタイプほどではありませんが、速く走りハンティングもこなすことができます。両タイプともにアウトドア活動には楽しい伴侶となります。

飼うにあたっての注意点
 ラブラドールは、人間好きで活動的な犬で、ほっておかれると退屈します。訓練をしないと体の大きさと熱心さのためにコントロールが困難になります。運動をさせないと、破壊活動に走り、退屈さを紛らわし精力を発散させるために脱走したりします。かれらは、食べ物や水と同じように人間の注意や愛を必要とします。ラブは訓練がしやすく、服従訓練をすることは楽しみです。ラブは運動を必要とします。特にほとんどのラブは食べること大好きなので、運動は重要です。適切な運動と訓練、さらに人間との適切な交流が素晴らしいラブラドールを作るのです。

レトリーバー種について
 レトリーバーは犬の種類のひとつです。文字通り、ものを回収(レトリーブ)する犬で、野原や海でのハンティングにおいて獲物を回収するという目的で繁殖されてきました。AKC(米国ケンネルクラブ)では6種類のレトリーバーが認められています。すなわち、ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、チェサーピークベイ・レトリーバー、フラットコーテッド・レトリーバー、アイリッシュ・ウォータースパニエルです。その他にもAKCでは認められていないレトリーバーもいます。ノバ・スコシア・ダック・トリング・レトリーバーがその例です。

体毛
 ラブラドールはダブルコート(二重の層)の毛を持っています。すなわち、柔らかいダウンのようなアンダーコートとより固い外側のコートです。この二種類のコートは体を暖かく保ち、鴨を回収して冷たい水中で泳ぐときなどに体を濡れないように守る働きをしています。一般的にラブは年2回換毛します。ただし、アラスカンマラミュートやジャーマンシェパードほどの激しい換毛ではありません。温和な気候では、年中ある程度の毛が抜け替わります。ただし、個体によって抜け毛の程度は異なります。

体の手入れ
 体を清潔に保つため、1週間に1回程度ブラッシングしてあげる方がよいでしょう。ブラッシングすることで、換毛を適切にコントロールすることができます。ペットショップで買えるスリッカーブラシがもっとも適当です。ラブは、他のほとんどの犬と同じく、足指の爪を定期的に切る必要があります。犬用の爪切りはどこのペットショップでも手に入れることができます。獣医さんに爪の切り方を教えてもらうとよいでしょう。
 ラブはそんなに頻繁に洗ってやる必要はありません。シャンプーを使って洗うのは臭いがするようになってからで結構です。単に埃や泥でよごれた場合は、水で洗うか、あるいは乾燥させた後に汚れをブラシで落とすだけで十分です。シャンプーをあまり頻繁に行うことは、体から自然と出てくる油分を落とし過ぎることになるのであまりよくありません。適切に体に油分があることによって汚れや水から体を守ることになるからです。一般的に、ラブの体毛は手入れがきわめて容易です。

ラブラドールの活発さ
 正しい気質を持っているラブは、個々の犬によって異なりますが、決して極度に活発すぎるすることはありません。最近のラブの人気の上昇に伴って、既存のブリーダーと違って、ラブの性格に配慮しないで繁殖を行う人たちが増えてきました。ある人は、フィールド系統のラブは活発で、ショー系統のラブは落ち着いていると言いますし、他の人はその逆のことを言います。バックヤードブリーダー(ラブラドールに関する知識がほとんどなく、金儲けのために繁殖を行うブリーダーのこと。小規模であっても、趣味であっても健全な良い気質を持ちバランスの良いラブを創出しているブリーダーはたくさんあります)が繁殖したラブは良くない気質を持っていることが多いです。性格に考慮しないで繁殖を行った場合は、偶然にしか良いラブには巡り会えないことになります。
 正しい気質を持ったラブを見つける最も良い方法は、ブリーダーを完璧に調べることです。ブリーダーにいろんな子犬を見せて欲しいと頼んでみて下さい。いろんな子犬を見ることによって、望んでいる活動度を持った犬がわかる可能性があります。以前そのブリーダーから犬を買ったことのある人にそのブリーダーを薦めるかどうか聞くのもいい方法です。悪い気質を持ったラブは、フィールド系統であってもショー系統であっても、注意深い繁殖をしていブリーダーからは出てこないからです。
 ただし、ラブは、一般的に、子犬の時にはとても活発な犬で、3歳くらいになるまで完全に成熟しない場合が多いようです。これは、この年齢に達するまでは、体の大きさにかかわらず、心は子犬で子犬の活動性を持っていることを意味します。ラブの子犬はやんちゃであるといわれます。子犬が元気ではちきれんばかりのエネルギーを持っていることは、ラブではまったく正常です。このことを十分にわきまえて子犬時代に対処することができれば、問題が起きることはまずありません。このことを十分に知らないと、ラブはやんちゃで手に負えないからといって、場合によっては捨ててしまうことにもなってしまいます。
 ラブは、訓練と運動をさせないと飼い主にとってきわめて大きな問題を引き起こし、破壊活動に走ったりコントロールが不可能になることがある点を、特に強調したいと思います。適切な訓練(もちろん、これは犬をたたくことではありません)を施すことによってラブラドールは素晴らしいペットになるのです。

"Butt-tucking"
 "Butt-tucking"というのは、ラブに限らないのですが、子犬が突然しっぽを体の下にかかえこんで輪になって最大限の早さで走り回ることをいいます。ほとんどのラブはこのような行動をします。しかし、これはラブの気質や関節に問題があることを示すものではありません。ただし、この行動の間に怪我をしないように気をつけている必要はあります。

人気
 AKCでは1991年以降登録数はずっと第1位が続いています。例えば、合衆国大統領は1997年の年末チョコレート色のラブを飼い始めました。人気があることは、犬種の質を高めるより金儲けのために手っ取り早くラブを繁殖しようとする人々が多いということを意味します。従って、ラブを手に入れる場所については十分に注意する必要があります。悪評の高いブリーダーは、過度に興奮しやすく行動や気質に問題があるラブの第1の供給源ですので、きちんと注意深くブリーダーを選定しさえすれば良い子犬を見つけることができます。通常のきちんと繁殖されたラブの子犬は約400-600ドルで、ショーやフィールドトライアル向きに特別に繁殖されたラブはそれよりも若干高めです。この価格範囲よりかなり安いか高い場合は注意が必要です。

ハンティングドッグ
 ショー系統でもフィールド系統でもどちらでもほとんどのラブは良いハンティングドッグになります。血統よりも、適切な犬を見分けかつ訓練できるあなた自身の能力の方がむしろ重要です。どういう種類のハンティングをしたいのか、どれくらいハンティング経験があるかを良く考えて、ブリーダーに相談しましょう。もし、特別にフィールドトライアルに興味があるのならフィールド系統の、体型を重視するショーに出すことに興味があるならショー系統のラブがいいでしょう。残念ながら、両者共に優れたラブを輩出するブリーダーはほとんどありません。ただし、どちらの系統のラブを選ぶにしろ、体型がバランスした良い気質の子犬を選ぶように努めるべきです。不健全なラブは、良いショー犬にもハンティングドッグになれないのはもちろん、良いペットにすらなれないのですから。

番犬
 ラブは良い番犬にはなりません。何かちょっと見知らぬいやなものが近づいた場合、警戒して吠えたりすることはありますが、番犬として犬を飼うのが主目的なら、ラブはいい選択ではありません。ただし、単に警戒してくれることだけでいいなら、ほとんどのラブは大丈夫です。

ラブラドールの能力
 ハンティングドッグ、フィールドスポーツ犬、素晴らしいペット犬として以外にも、ラブは極めて多くの仕事をこなします。例えば、奉仕犬、セラピードッグとして使われています。探索犬、救助犬、爆弾や麻薬捜査犬などとしてもきわめて優秀です。良く効く鼻、良い性格、高い訓練性は、これらの活動に特に適しており、素晴らしい歴史を刻んでいます。
 興味深いことに、ゴールデンなど他の犬種に比べて、ラブは服従コンテストに出ることが少ないようです。どうしてはあまりよくわかりませんが、ラブは服従性にちょっと欠けるともいわれています。しかし、このような性格は奉仕犬としては必要な能力です。すなわち、危険な命令に対して不服従するというのは逆に必要なことでもありますから。

子供に対して
 ラブラドールは子供に対して優しい性格です。しかし、どんな犬でも、子犬と子供だけで過ごさせるのはよくありません。両者とも自分の大きさや強さを自覚していないため偶然お互いを傷つけてしまうことがあるからです。ラブは自分の意志で人を傷つけることはありませんが、遊んでくれているものと勘違いして子供を押し倒したりする可能性があります。同じように子供も子犬を傷つけることがあります。子供の親として、また、子犬の飼い主としてお互いにどのように接するのかを教える必要があります。訓練や運動が不足しているラブは、時と場合によって子供の事故の原因となりやすいことに注意して下さい。

泳ぎ
 ラブは泳ぐのが大好きで、一般的に自然と泳ぎを覚えます。しかし、最初に泳がせるときは注意して下さい。決して子犬を水の中に投げ込んだりしないように。泳ぎの上手な成犬がいる場合には、子犬はその後をついて泳ぎます。飼い主自身が子犬の先を泳いでも結構ですが、子犬は鋭い爪を持っているので、背中に乗られると怪我をしますので注意が必要です。最初に泳がせるときは、水深が徐々に深くなり流れがないような水場が適当です。子犬自身のペースで水に入れてやりましょう。子犬が望むなら、ばちゃばちゃ水たまりで遊ばせてやって下さい。慣れてくれば、徐々に深いところへ行くはずです。

ゴールデンラブラドール?
 ラブラドールにはイエロー、ブラック、チョコレートの3種類の毛色があります。イエローラブは時々間違えられてゴールデンラブラドールと呼ばれたりします。イエローは、ほとんど白色からきつね色までの幅広い色を意味します。ゴールデンレトリーバーはラブラドーレトリーバールとは異なった種類の犬種です。ただし、両者の間には結構似たところがあります。ゴールデンラブというのは、時々ラブラドールとゴールデンの雑種を意味することもあります。

ラブラドールの体色
 ブラック、チョコレート、イエロー以外の体色はありません。他の色のラブラドールを高い価格で売っている場合は気を付けた方がいいです。ほとんど白色のラブもいますが、耳だけでも少しは色がついているのが普通で、一応イエローに分類されます。きつね色のラブも同様です。イエローラブの色はこのようにいろんなバリエーションがあっても許されます。ただし、現在は、ショーなどでは薄い色が多いようです。シルバー色ラブというのは嘘で、ワイマラナーとの雑種か、きわめて薄い色のチョコレートラブのどちらかです。この後者のラブはあまりよくないとされています。ブルーラブ(薄いブラックラブ)もこれまで見つけられたことはありませんし、たとえいてもシルバーと同じような扱いになります。

親犬と子犬の体色の関係
 ブラックからイエローラブが生まれたり、イエローからブラックが生まれたりします。チョコレートもブラックやイエローから生まれます。これらはすべて、親犬がどういう体色の遺伝子を持っているかによります。両親ともにイエローの場合は子犬は確実にイエローになります。両親ともにチョコレートの場合は子犬はイエローかチョコレートで、ブラックの子犬は絶対に生まれません。

体色と性格
 体色の違いが性格に影響することはありません。多くの人はブラックラブがハンティングに優れ、イエローラブはよりおとなしい、チョコレートラブは頑固という印象を持っていますが、全部嘘です。その理由、体色は性格などに関係しない二つの遺伝子で決められているからです。

体色の遺伝
 二種類の遺伝子のセットがラブの体色をコントロールしています。ひとつのセット(Eかe)は、ラブが黒い色(ブラックかチョコレート)か白い色(イエロー)になるかどうかを決めています。黒い色の遺伝子(E)の方が白い色の遺伝子(e)よりも優性です。従って、遺伝子型がEEとEeの場合は、体色は黒になります。
 二番目の遺伝子のセット(Bとb)は、ラブの体色が黒い色(EEかEe)の場合にのみ働き、ブラックかチョコレートかを決めています。すなわち、BBかBbの場合はブラック、bbの場合のみチョコレート色になります。
 従って結論としては、遺伝子型が、EEBB, EEBb, EeBB, EeBbはブラック、eeBB, eeBb, eebbはイエロー、EEbb、Eebbはチョコレートということです。子犬は、両親からそれぞれひとつづつの遺伝子を引き継ぎますので、両親ともにEeBbの遺伝子型(みかけはブラック)を持っていれば、3種類のすべての色の子犬が生まれる可能性があります。同様に、両親ともにイエローであれば必ず子犬はイエローで、両親ともにチョコレートであればブラックの子犬が生まれることはありません。このうち、eebbという遺伝子型は興味深いケースです。というのは、イエローラブでありながら、鼻や目の廻りにチョコレート色が認められるからです。bbという遺伝子型をもっているラブはいつもこのチョコレート色が認められます。しかし、現在のスタンダードではこのようなラブは不適格とされています。
 ラブの体色を予測するのにもっとも適当な方法は、その犬の血統を調べることです。イエローやチョコレート色の子犬を産む親犬は必ずそれらの遺伝子を持っています。イエローかチョコレートの親を持つブラックラブは必ずイエローやチョコレートの遺伝子を持っています。確実にその遺伝子を調べるためには血液検査方法という方法もあります。

Dudleyとは
 これは、鼻や目の廻りにチョコレート色が認められるイエローラブのことです(遺伝子型がeebb)。さらに、鼻や目の廻りに色素がない(ピンク色の鼻)ラブのことをさす場合がありますが、非常にまれなケースで多分遺伝子の異常によるものと考えられます。

冬鼻(ウインターノーズ)
 冬鼻や雪鼻と呼ばれます。多くのイエローラブは夏は黒い鼻をしていますが、冬になると色素が抜けてピンク色になることがよくあります。その理由はよくわかっていませんが、シベリアンハスキーやアラスカンマラミュートにもこういう現象があります。冬鼻はラブの欠陥とはみなされません。冬鼻をDudleyから見分けるには目に廻りなどをチェックしてみて下さい。Dudleyはその部分も薄い色をしているのでわかります。

ジャンプ力
 犬種としてはとくにジャンプ力に優れているということはありませんが、個々のラブではジャンプ力の優れたのもいます。ドアや鍵を開けるのが上手なラブもいます。しかし、基礎をしっかりとした6フィートのフェンスがあれば逃走を十分防ぐことができます。ほとんどのラブは4フィートをジャンプして越すことができません。ただし、ラブはよく噛むのでフェンスが壊されていないか注意しておく必要があります。また、登ることもできますので、足場や台がないかをチェックすることも必要です。退屈したり運動不足になっているラブはよく逃げ出すことがあります。

吠える
 退屈している場合に吠えることがありますが、ラブは吠えることの少ない犬種です。ただし、普通でない出来事などに対して注意を引くために吠えることはよくあります。

雄と雌の違い
 どちらもいいペットになります。一般的には、若干雄は依頼心が、また雌は独立心が強いようです。例えばあなたがコンピューターで仕事をしていると雄はあなたの足下で寝るが、雌は別の部屋で寝て時々仕事ぶりをチェックしに来るようなものです。

犬の入手法
 まず最初に、成犬か子犬かどちらを手に入れるかを決める必要があります。成犬は、動物収容施設、ラブラドール救済組織、あるいは成犬ラブの飼い主を捜しているブリーダーから手に入れることができます。子犬の場合は、少し調査して信頼できる評判の良いブリーダーを見つけなければいけません。

子犬の選び方
 ブリーダーと会って子犬を見る前に、雄雌どちらがいいか、体色はどうか、犬に何を求めているのか、どんな気質の犬がいいか、などを勉強して決めておく必要があります。これらの質問への答えを用意してからブリーダーと話をして下さい。いいブリーダーなら良い子犬を選ぶのを助けてくれるはずです。

ラブの健康問題
 股関節形成不全は大きな問題ですので、ブリーダーがこういう問題を抱えた犬を出していないかどうかを確認して下さい。進行性網膜退化症や網膜不全症もラブに多いので、獣医さんに毎年チェックしてもらったほうがベターです。米国の一部の地域(南カリフォルニアなど)では、皮膚のアレルギーが多いことが知られています。耳が垂れている犬種は耳の感染症になりやすいです。ブリーダーや子犬を慎重に選ぶことによってこのような問題をできるだけ避けることが可能です。



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