ニホンオオカミの遠吠え

ニホンオオカミは絶滅した、と言われている。

最後のニホンオオカミは1905年1月に奈良県鷲ヵ口で捕獲されたものといわれている。

しかし、1910年8月に福井県の福井城趾で殺され、写真だけ残っている記録が、最後のニホンオオカミということになった。

その後も、ニホンオオカミが生きているという、噂が絶えない。

和歌山県や奈良県の山奥が一時期はとりざさたれていた。

しかし、たいした証拠も無く、この話は立ち消えになる。

ところが1996年に東京の近くの奥秩父でニホンオオカミらしい動物の写真が撮られる。ニホンオオカミの分類に関する権威と言えば元国立科学博物館の今泉吉典博士だが、彼はタイプ標本であるオランダのライデン博物館の標本と比べて、これが犬とニホンオオカミのすべての区別点をクリアした、ニホンオオカミとしか思えない動物だ、という結論を出した。

彼以外の哺乳類学者は、ほぼすべて反対であった。しかし、正直、彼ほどにニホンオオカミの分類を研究した人がいた訳ではなかった。

しかし、その後、新たな証拠は無く、そのまま消えるかと思われた。

ところが2000年7月、九州の山中で、第2のニホンオオカミらしい動物の写真が写された。これまた今泉吉典博士がニホンオオカミとしか同定できないとした。

ただ、こちらも四国犬説や、日本犬とシェパードの混血説とかあって立ち消えになっている。

ただ、積極的に否定する証拠も無いのが事実だ。

この辺に関してはこのサイトをご覧いただきたい。問題の写真も出ている。

http://hw001.gate01.com/kensugi/f200037.htm

別の観点から見てみよう。

ニホンオオカミの主な餌はニホンジカと思われる(カモシカは資源が少なく、ウサギでは小さすぎる)。

そのニホンジカは最近増えて、農林業被害が過去最大になりつつある。密猟が減ったのと、暖冬化で雪が減ったことと原因と言われている。シカが増えたのとニホンオオカミの写真が撮られてことが関係しているかもしれない。つまり、餌が増えたのでオオカミも増えているのかもしれない。

面白い地図がある。ニホンジカの分布図だ。上記にでてきたすべての場所が、シカの多い地域に入っている。ひょっとして、と思わせる。

http://www.env.go.jp/houdou/gazou/5533/6252/2138.pdf#search=’ニホンジカ%20分布'

で、今日の本題はこれではない。

私は一時期九州にいて、山仕事をしていた。

その時の経験だ。

ある日、阿蘇山の杉林で仕事をしていると、遠くで遠吠えが聞こえた。

当時は奈良のオオカミ話はあったが、九州という話はなかった。九州最後のツキノワグマが殺された頃だ。矢部の山奥ではヤベゴンといって、人間みたいな毛むくじゃらの動物がいると言われていたが、まあ熊だろうと思っていた。実際、熊剥ぎらしいものも見た。でも、オオカミの話はなかった。

声が消えたので、しばらく仕事をしていると、突然、今度は少し近い場所で遠吠えが聞こえた。まさしく、「アオーオー、アオー」という声だ。「これはひょっとすると、ニホンオオカミに会えるかも」と思い、カメラを持っていないことを後悔した。しかし、声はまた消えた。

しばらくして、背後に気配を感じた。振り返ると、中型の「犬」が10mほどはなれた場所に座っていた。手を伸ばしたが近寄る感じは無い。こちらを直視するでもない。反応があまりないのだ。でもどう見ても犬だった。

まあ、犬ならいいかと思い、仕事を再開したが気になる。このあとの記憶があまり無いのだが、犬はいなくなり、気持ち悪いので仕事を切り上げて帰ったと思う。

当時は犬とオオカミは見れば分かるくらい違うと思っていた。しかし、上記の写真を見ると、犬とオオカミは区別がつかないくらい似ている。ひょっとして、と思うのだが、どんな犬だったかは全く覚えていない。中型犬くらいで褐色だったということだけだ。

あれは犬だったのだろうか。それとも・・・・

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