6月10日
ウラゴマダラシジミは初夏の蝶の先陣をきって現れる蝶。昨年は惨敗した。
夕方沢山いることを知って、午後3時くらいから出かけたのだが、沢山いるに入るが止まらないのだ。そのうち辺りが暗くなって、おしまい。
梅雨で晴れた土日はそうたくさんなく、シーズンは終わってしまった。
で、今朝はオオミドリシジミなどがいるかと思い、雑木林に行ったところ。この蝶がいた。朝もそれなりに活動するのだ。しかも、食樹であるイボタの樹の周りに止まっている。 そうはいっても、やや高いところに止まるので、50ー200mmにテレコンをつけた。
6月16日
ウラナミアカシジミ:昼休み5分間撮影でコレが写せるのは田舎の強みか。
東京在住の高校時代は小田急で出かけて稲田登戸の病院裏の雑木林で初めて採集した。わけあってそちらの方面の家内と出会い、その病院で我が子の出産を待つことになるとは夢にも思わなかった。
というようないろいろな思い出が蘇る蝶ではある。年取ってくると、ほとんど色々な蝶に青春時代の思い出が重なって、センチになってしまう。
しかし、今日はスズメバチの酒場の近くだったため、そういう想いより恐怖が先立つ。
6月19日
久々の梅雨の晴れ間。
夕方、近くのハンノキ林にいってみた。 案の定、ミドリシジミがいる。
しかし、なかなか下には降りてこない。 50-200mmプラスEC14(1.4倍テレコン)でも遠い。 35mm換算560mmなのだが。やはり、ここは大砲の出番か。でも、三脚も必要だし。
ところで、昼にはウラゴマダラを見た。低い位置に止まっていて、逃げない。近すぎてピンがこないので、離れざるを得なかった。あー、こっちは魚眼を持っていけば良かった。
ちなみに、今日は20カ所以上、献血してしまった。かゆい。
6月20日
ミドリシジミ類のことをゼフィルス(西風の精)という。
こんな言葉は蝶屋以外、使うことがない。
けれども、今日見たデジタルフォトで海野和男先生がずばり「森の宝石ゼフィルス」と紹介している。
そう、ゼフィルスは実は日本で一番綺麗な蝶達なのだ。南米のモルフォチョウも真っ青の(元から青いが)、青、緑の輝き。多くの種類がいて、かってはコレクターアイテムだった。しかし、ギフチョウなどと比べると樹の梢に住むため、その採集は遙かに難しく、チョウセンアカシジミのような産地が局在していて低木にのみ住む種以外は、今でも普通に見られる。
とはいうものの、ウスバシロチョウのように産地に行けばみられる蝶達ではない。森の中では樹上は見えない。林縁でも、飛び時間が決まっていて日中は滅多に見ない。見えても樹上高く飛び回り、やっと止まってもすぐとんでいく。梢は揺れるし、望遠レンズも揺れる。色々な意味で蝶屋として、写真愛好者としての運と才能が問われる。撮影の難易度は高い。しかし、写せるとそのお顔は可愛らしく、羽はメタリックブルーだ。
いつか来る幸運を信じて、今日もヤブ蚊に献血に行った。
6月26日
毎日の観察で、ミドリシジミいつもテリトリー争いしていて、追い掛け合っているが、時に互角な戦いをする相手とは見境もなくくるくるお互いに円を描くように戦うときがあることが分かった。
ただ、その多くは樹上で決着が付いてしまう。時になかなか決着が付かない場合がある。そんなとき、2頭は我を忘れてだんだんと降りてくる。そして時に人間の目の高さほどまで降りる。
そういう場所が2カ所あることがわかった。どこでもあるので半ない。
そのうちの一カ所は一日に一回あるかないかだが、もう一カ所は一日(とっても夕暮れの一時間)に2回くらいチャンスが来る。
20日に大砲の600mmを持っていったときに降りてくる事実に初めて気が付いた。24日には魚眼とFL36で挑んだのだが、FL3.6がFP発光するのか、動きの早いゼフを止めることが出来ず、惨敗。
しかし、WCと違いリベンジ出来る。
25日には、オリンパスの昔のストロボ、T32で再挑戦。ストロボはどこまで同調するか、明るさは、等々、その場で草を相手に調節。調光の範囲が狭いので、NDフィルター等を用いて明るさを合わせる。さらに、ピントを20cmより少し遠くにして、何度も草で練習。24日には思いの外大きく写ってしまった鉄塔をなるべく小さくするポジションを練習。
こうしてモチベーションを高めて、その日のチャンスを待った。しかし、気温が低めでなかなか飛ばない。遠くで降りてくる2頭をくずの茂みをかき分けながら接近するも、追いかけたのがまずかったのか2mほどの所で蝶はお互いに追うのを止め、写せず。
そして、この日の最初で最後のチャンスが来た。
走って逃げられた教訓を活かし、素早く、しかし静かに追う。すっと手を伸ばす。鉄塔の方にレンズを向けないようにする。mさにカメラの真上で旋回している。あと少し、あと少し近づいたら・・
近づいた!
シャッターを押す。光る。蝶は逃げない。更に押す。光る。更にもう一枚、、、茂みの方向にレンズを向け、下からではなく、横から撮るように試みる。写す、光る、写す。
至福の時は一瞬にして去り、全身が震えた。この年齢にして、久しぶりの感動だった。 写った写真は、夕刻に見えた暗い影ではなく、紛れもなくミドリシジミの戦いであった。しかし、羽半分が暗い影になっているのはイメージ通りとも言える。
だが。
もっと良い写真を撮りたくなるのが写真愛好家の本質。また、梅雨の合間には写しに行こう。
6月27日
昨日の写真もかなり満足していた。
しかし、ミドリシジミというのに、ミドリがあまり写っていない。
ミドリシジミは、輝く緑色がまさに特徴なのに、下から写したのでは写らない。
よし、今日は横から撮るぞ、と思ったが、思いの外難易度が高い。
まず蝶はくるくる水平に旋回する。これを下から写せば、カメラは蝶の下になり、蝶はあまりカメラを気にしない。しかもレンズに対して平行に旋回しているので、どの位置でもカメラからの距離は変わらない。ピントも露出も構図も倍率も簡単だ。
しかし、横から写すと状況が一変する。
カメラは蝶の横なので、近づきすぎれば蝶の行動に影響するし、蝶も脅威を感じるのでカメラをよけるし、闘争を止めてしまう。
そうでなくても水平に回転しているので、蝶は近づいたり遠ざかったりするので露出もピントも偶然を頼るしかない。遠ざかったときは小さくしか写らず、全然駄目になる。
しかも、蝶が羽を振り下ろした瞬間しか緑色にはならない。羽を上げたときは裏しか写らず、茶色いミドリシジミとなる。
沢山写せばいいが、一回の遭遇で、2〜3回しかシャッターチャンスはない(水平ならもっとあるが・・)。
しかし。
写った。
今日は良い日だ。