Avice (Jean) アヴィス(ジャン)
19世紀初頭に活躍 菓子職人
偉大な菓子職人や料理人で歴史に名を残している者は意外に少ない.たとえ名が残っているにしてもフルネームがわからなかったり、うまれた年、没した年がわからないことはしばしばである。いやむしろ、名前や経歴がわかっている者の方がごく僅かであるといった方がよい。グーテンベルクの発明により、印刷は急速に広まり、料理、菓子の世界でも多くの本が書かれるようになった。その著者でさえ、フルネームがわからなかったり、生きた年代が特定できない者もある。
この、ジャン・アヴィスもアントナン・カレームがその著作の中で褒め称えていなければ今日に名を残したかどうか疑わしい。
ジャン・アヴィスはカレームが17歳でヴィヴィエンヌ通りの当時の超有名店バイィBaillyに入った時のシェフ・パティシエで、すでに相当な名声を得ていたらしい.バイイの店は政治家タレイランの御用達である。
アヴィスはしばしば、マドレーヌを作り出した人物として名前があがる.カトル・カールの生地を小さなゼリー型で焼いたのがマドレーヌの始まりだと言うのだ.いかにも誰かがやりそうなことだ。アヴィスもそれをやったかも知れない.だがそれがマドレーヌと名付けられたのかどうか...
カレームはその著書の中で、自分はアヴィスから多くを学んだ、だが決して模倣はしなかったと述べている。
また、パ・タ・シュー(シュー生地)は古くから知られていたが、アヴィスによって完成されたと言われ、「シューの巨匠」とも書いている。