Bourdaloue ブルダルー

タルト・ブルダルー(ポワール・ア・ラ・ブルダルー)は、ベルエポックの時代、ブルダルー通りに店を構えていたパティシエ、ファスケル<Faquelle>或いは、レセトゥール<lesserteur>が考案したという説がある.
また、長い説教で有名だったイエズス会の説教師ルイ・ブルダルー<Louis Bourdaloue>(1651〜1704)にちなんでつけられたという説もある.フランの上に桃、アプリコット、ウィリアムス(洋梨)などを十字の形に飾ったとされている.

一般的にブルダルーはアーモンド風味のクレーム、クレーム・フランジパーヌの上に果物をのせ、さらに砕いたマカロンと溶かしバターを表面にかけて、焼き色を付けたものである.また、タルト生地の上に作ると、タルト・ブルダルーとなる.フランス菓子に対して宗教的意味も歴史的意味も感じることのできない我々日本人にとってはタルト・ブルダルーといえば洋梨のタルト、というイメージしか湧かないのであるが.そしてもし、ブルダルーという言葉に宗教的な暗示があるのならば洋梨は十字の形に並べた方がきっと良いのであろう.また、アーモンドの香りとフルーツの組み合わせはこのお菓子にとって不可欠なものであろう。ここで言うアーモンドの香りとはローストした香ばしいアーモンドの香りではなく、青酸のあの薬臭いような、独特の香りである.

ルセットで紹介したタルト・ブルダルーはサブレ生地に、クレーム・パチシェールとクレーム・ダマンドを合わせたいわゆるクレーム・フランジパーヌと洋梨の組み合わせである.

しばしばガレットの中やタルトに使われるクレーム・フランジパーヌ<creme frangipane>はアーモンド風味のクリームをさす.クレーム・パチシェールのようなものに砕いたマカロンを加えたり、アーモンドのプードルを加えたものである.
フランジパーヌというのは17世紀、カトリーヌ・ド・メディシスのお供でパリにやって来たセザール・フランジパニ<Cesar Frangipani>に由来する.彼はローマの貴族の出であったが、手袋の香水をビターアーモンドから作り、そこからヒントを得たパティシエが、アーモンド風味のクリームをクレーム・フランジパーヌと名付けた.17世紀の代表的な料理人、ラ・ヴァレンヌ(1618〜1678)は著作の中のお菓子のところでトゥルト・ド・フランシパーヌ<tourtes de franchipanne>の作り方としてクレーム・フランジパーヌをくり返し引用している.
現在ではクレーム・フランジパーヌにマカロンを使うことはほとんどない.クレーム・パチシェールにクレーム・ダマンドを用途により、好みにより量をかえてまぜるだけである.

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