PARIS-BREST パリ=ブレスト
フランス人は自転車レースが好きだ.フランス最大の自転車レース、ツール・ド・フランス(Tour de France)でトップをとっている選手がマイヨウ・ジョウヌ(黄色いベスト)を着て走っている映像を御覧になった方も多いだろう.毎年7月に行われるこのレースは二十数日間にも及ぶ.全行程を区間に分けて、タイムを競うのだ.
このレースが初めて開催される数年前、1891年、第一回パリ=ブレスト間の自転車レースが行われた.これを記念して、と言うか当て込んでというか、作られたのがパリ=ブレストである.沿道のメゾン=ラフィットの職人、ルイ・デュランの作とされ、シュー生地にプラリネクリーム、表面にはスライスアーモンドという形が出来上がった.彼は自転車の車輪を連想してこの大きなリング型のエクレールを創作した.
ところで、ツ−ル・ド・フランスにはもう一つの意味がある.直訳すれば「フランス1周」ということだが、昔の職人の全国武者修業の旅をさした.職人達はある程度の基礎を習得すると、親方のもとを離れ、各地で修行する.パティシエもまた例外ではない.
パリ=ブレストは家庭でも比較的作りやすいフランス菓子だ.ただ残念なことに上質のプラリネを少量手に入れることが難しい.フランス菓子の教本ではチョコレート風味、コーヒー風味、プラリネ風味の三種類が紹介されていることが多い.プラリネが手に入らない時はコーヒー風味がお勧めだ.