TARTE AU CITRON タルト・オ・シトロン

レモンパイと言った方がなじみがあるかも知れない.

 ここに載せたのはクレーム・シャンティーを上に飾ったものだが、メレンゲ(ムラング・イタリエンヌ)をたっぷりとのせて表面を焦がしたものも多い.また、タルトの生地もパート・シュクレだったりパート・ブリゼだったりフィユタージュだったりと色々である.

 どの組み合わせを採用するにしろ、バランスよく出来たタルト・オ・シトロンは美味しいものだ.生地のさっくりとした歯触りとクレームの酸味、そしてその酸味を和らげるクレームやムラング.
 昔、自己流で作っていたレモンパイは多分アメリカ風で、パート・ブリゼ(のような生地)に、レモン味のカスタードクリーム風のもの、そしてメレンゲであった.一体どの本から採ったのか記憶は定かではないが、非常にマイルドなパイで、レモンパイとはそんなものだと思っていた.ところが、はじめてフランスで食べたタルト・オ・シトロンはとにかく酸っぱいのだ.パート・シュクレにクレーム・シトロンの組み合わせで上には何ものっていなかった.確かそこそこ有名な店のはずだったが.

 実は私の舌は酸味の強いものに弱い.初めてフランスで食べたタルト・オ・シトロンはあまりにも私の舌を刺激し過ぎた.後になって、それが特別例外的な味ではなかったことを知るのだが.
 と言うわけで、私のタルト・オ・シトロンはかなり穏やかな味である.しかし酸っぱくなければこのタルトを作る意味がないと思うので、私の舌の許容できる最大限の酸味にした.上に乗せるのも、ムラングでは酸味を中和し足りないのでごく軽いクレーム・シャンティーにし、生地もかなり柔らかい味のサブレ生地である.それでも初夏の少し汗ばむ季節以外の寒い時に食べると私の舌はその刺激に震え上がるのだ.

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