フェーブ

Feve

 フェーブとはそら豆のことだが、エピファニー(公現の祝日)のお菓子ガレット・デ・ロワの中に仕込むことでも知られている。切り分けたとき、フェーブに当たったヒトがその日一日王様になる。昔は本当にそら豆が使われていたが今では小さな陶製の人形が使用されている。宗教的なモチーフから現代的なものまで、その時代を反映してデザインも色々あるようだ。
 映画「シェルブールの雨傘」で、カトリーヌ・ドヌーブが紙製の王冠をフィアンセに被せてもらうシーンがある。このシーンはしばしばエピファニーのお菓子の紹介で登場するのでご存じの方も多いだろう。それにしてもこの映画、どうしてミュージカルだったんだろう。
 日本ではクリスマスとお正月で精力を使い果たしているし、バレンタインデーも間近なので1月6日の御公現までは手が回らず、一部のフランス菓子店がアリバイづくりのために販売しているだけ、と言っては言い過ぎか。

 とはいうものの、何となく持ちそびれていたのだけれど、つい数日前、ある方から写真のフェーブをいただいた。トッテモウレシイ。
 捻くれたことばかり書いているようだけれど、やっぱりこういうものに恋い焦がれる想いもないとね。
 「今」からお菓子作りを始める人たちはどうか知らないけれど、少なくとも私のお菓子作りはまだ見ぬもの、まだ食せぬものへの憧れから始まった。